詩集のご紹介
福井県詩人懇話会会員の詩も多数収録して発刊
日本の地名詩集-地名に織り込まれた風土・文化・歴史 金田 久璋 鈴木比佐雄 編
コールサック社(東京都板橋区板橋・鈴木比佐雄代表)刊 1,800円+税
福井県詩人懇話会員で日本地名研究所長を務める金田久璋さんらが呼びかけ編集された「日本の地名詩集」が発刊されました。「沖縄・奄美」「九州」「四国・中国」「関西」「中部」「関東」「東北・北海道」に分け、高見順、谷川俊太郎、宮澤賢治、寺山修司、西脇順三郎、金子光晴、峠三吉、谷川雁、茨木のり子、新川和江、大岡信ら著名な詩人の作品を交えて、全国から公募した地名にちなんだ現代詩を加えた150編あまりを収録しています。
福井県詩人懇話会からは、編集の金田久璋幹事、渡辺本爾代表、前川幸雄顧問、千葉晃弘副代表をはじめ、幹事の黒田不二夫、瀧野篤朗、西畠良平さんら役員、山田清吉、関章人、上坂千枝美、有田幸代さんらが作品を寄せ、それぞれが地名に寄せた思いなどから発想した詩を寄稿しました。
巻末には金田久璋さんが「現代の歌枕再発見」、コールサック社の鈴木比佐雄代表が「『無の場所』を名付けたい衝動を抱えた地方詩の試み」と題して解説を書いています。
「水脈」三十周年記念号が発刊されました 2021.6
『水脈』三〇周年記念号
詩人懇話会の副代表でもある佐野周一氏が代表を務める「水脈の会」発行の同人誌「水脈」が創刊三十周年を迎え、最新70号を「三〇周年記念号」として発刊した。創始者の一人で永年代表を務めた稲木信夫氏が巻頭詩「胎動」で、同誌に託してきた詩作への思いを熱く伝えている。同人の詩二十九編をはじめ、随想や西里えり氏の小説「いらっしゃいませ」など通常号の掲載内容に加え、今回の記念号に当たり「水脈三〇年を迎えて」という特別コーナーを設けた。ここでは、なたとしこ、五十嵐冴子、中林千代子、笠原仙一の各氏が思いを綴り、それぞれ同人が「詩を書く営みの運動体」として地域の中で生活しながら詩文化運動に携わってきた情熱を語っている。また、立正大学名誉教授の金子勝氏が「新型コロナウイルス・パンデミックと日本国憲法~菅ディストピアと私達のユートピア~」という長文の論文を特別寄稿した。
「果実」六十周年記念号が発刊されました 2021.5
『果実』六十周年記念号
1964(昭和36)年3月に直井直を編集委員に同人12人、顧問に則武三雄を迎えて創刊された詩誌「果実」。60周年を迎えた今年の最新84号は、特別編集の創刊記念号とて発刊した。藤井則行氏の巻頭言によれば、宮澤賢治の「ホメラレモセズ」「クニモサレナイ」歩みだというが、同人から岡崎純、岡島繁ら多くの詩人を輩出。現在に至っている。記念号では現同人の現代詩作品の後に、黒田不二夫氏が「『果実』の亡き先輩同人」、渡辺本爾氏が「追悼号を振り返って」、神内八重氏が「『果実』六十周年に遭遇して」、西井明徳氏が「好きな『果実』同人の詩」、大竹雅彦氏が「果実詩話」、西田雅弘氏が「先生の集まり」、上坂千恵美氏が「新米」、そして最後に現在の編集委員の一人でもある龍野篤朗氏が「『果実』に書き続ける」の文章を寄せ、武者小路実篤の言葉から派生した「私はせめて、美しいものを身近に置きたい」と結ぶ。