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会員の新刊のご紹介
中林千代子詩集「名づけながら」詩人会議出版刊 A5判93ページ
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 福井県詩人懇話会幹事で、県内の同人誌「水脈」や「詩人会議」などを発表の場としてきた中林千代子さんの第2詩集。「あとがき」では、第1詩集「双子座」を編んでから10年あまり過ぎたが「再び詩集を出すことには意欲が薄れていた」とし「詩を書くことは続けていたが、書くものは消えていくままにしていた」と回想。しかし、母や親しい人たちを喪い「残された時間」を意識し始め、加えてコロナ禍もあり「消えていったり、後ろへ追いやったりしたものの中に、自分にとって不要でないものがあるような気がして」再生が生まれたと語る。
暮らしの中から生まれた23篇の作品からは「生きていることの恵みを味わい、もっと感動したい。何より自分の魂が自分とほんとうにつながるために、詩作を続けたい」という、中林さんの創作への意欲が伝わってくる。

西田昌弘詩集「青空に線をひく」能登印刷出版部刊A5判変形93ページ

県内の同人詩誌「果実」の同人の西田昌弘さんの第二詩集。金沢市の能登出版が編んでいる新・北陸現代詩人シリーズの一環として出版された。「みつめる」十二編、「そだつ」十二編、「いきる」十二編と、三章に分け三十六編の詩を掲載。表題詩「青空に線をひく」は「いきる」に入っている。果実の先輩同人・藤井則行さんは「さえぎるものが何もない青空に/線をひく」「そんなふうに/情を理が引き裂いていく/理不尽」という二フレーズを引用し、「日常の出来事の中に『美しさ 鮮やかさ』を見つけ出してきた詩情が胸を打つ著者会心の詩集」との帯の言葉として寄せ絶賛。著者は「日々目にする景色、めぐり会う出来事について、ことばにしようとするが、うまくいかない」と後書きに書くが、一つ一つの詩、言葉からは、著者の日々の出来事への愛おしさが確かに伝わってくる。

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恋坂通夫詩集「欠席届」恋坂 通夫著 コールサック社刊
A5版191ページ、1980円
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福井県詩人懇話会の会員で、「福井詩人会議・水脈」の同人として活躍し、2019年に86歳で亡くなった恋坂通夫(本名・辻健隆)さんの遺稿詩集となる「欠席届」が、詩人懇話会会員でもある妻の赤木比佐江さんによって刊行された。掲載作品は、同人だった「水脈」や「炎樹」など同人誌ほかから、赤木さんが抜粋してまとめた。編集に加わったコールサック社代表の鈴木比佐雄さんは「自然から立ち上る生命力や家族への愛や友人たちへの友愛などが、魅力的に詩行から湧き上がってくる人間愛に満ちている」と絶賛。恋坂さんは旧遠敷郡口名田村生まれ、県内高校に勤務して教職員組合運動に加わり、「九条の会」で護憲運動にも携わっていた。赤木さんは「空いている椅子」という「あとがきに代えて」で「心の中にぽっかりと空いているところができてしまった」と述べている。

ジュニア・ポエム双書収録「ギンモクセイの枝先に」半田 信和著 銀の鈴社発行
縦21・8センチ×横15・5センチ   103ページ
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 詩人懇話会でこどもの詩「花まるポエム」を担当している半田信和さんが、子ども向けを意識して作った詩集。「ともだちの気配」16編、「きみがここにいることで」16編、「葉っぱも花も」16編、「ぼくがここにいるわけ」14編を、鎌倉市在住の画家・吉野晃希男氏の絵とともに収めた。
巻頭詩「はじめに」には「ぼくのなかを/とおりすぎたことばが/いつかだれかの/こころをうるおす/水となるように」とあり、あとがきにはでは「この本は、こどものこころに向けてつくろうと思いました。ことばはできるだけシンプルに、ギンモクセイみたいにおだやかに。もちろん、おとなのあなたのこころも、ようこそ! です」と、作者の動機を述べている。

現代詩詩集「少しだけ町を歩こう」野尻 益子著 ハロープリント発行(自家版)
 A5判 55ページ
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 コロナ禍の中、「自粛で人生を見つめ直し」出した初めての詩集。2016年から今年まで書いた詩20編を自選し自作のイラストとともに収録した。「青年期と友人」「親族のこと」「生きるヒント」「コロナ禍で」「展望」の5つのテーマで作品を並べた。表題詩「少しだけ町を歩こう」では「コロナ禍で」の章に収められ、自分の周りの人々の営みを見つめ、コロナ禍の変化の中で「泣いたから笑えるし、苦かったから甘いので/病んだから深くなり、歩いたから進んだことを」と思い返し、自分や人々を元気づけ、「だから、疲れたのなら、少しだけ、人々の住む町を歩こう」と呼びかける。あとがきには「詩集を読んだ皆様が、ほんの一部でも『あるある、こんなこと』と、共感していただければ幸いです」とあり、作者の思いを伝える。

エッセイ集「土間の一灯-明かりをともす」千葉 晃弘著 鯖江詩の会発行(自家版)
A5判 174ページ
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 福井詩人懇話会員で副代表を務める千葉晃弘さんの新刊。2010年3月から2021年5月まで33号を発刊したエッセイ季刊誌「榾火(ほたび)」に1カ月1編ずつ書いたエッセイの全編、文芸同人誌「青魚」「フラココ」などに掲載した中から自選した18編を収録した。表帯には「蓮如が雨宿りに訪れたという農鍛治屋の土間、昭和の世に響いたのは、『きたご』(兄)、『なごや』(姉)、『てんしゃば』(弟)、三家族のトライアングルであった。小中高校、大学、高年大学でお会いした、異色な詩人教師と先輩の姿を追った」とある。自分と詩の出合い、周囲の多くの人たちとのやり取りなど、福井県詩人懇話会の会員も実名で登場している。家族や周囲の人たちに向ける千葉さんの優しい目が感じられるほのぼのとしたエッセイ集となっている。

現代詩詩集「匙」青山 雨子著 書肆山田発行
縦20・2センチ横14・5センチ102ページ
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  福井県詩人懇話会員の青山雨子さんの第9詩集。著者の希望により、概要の説明を削除しました。「内容を知りたい人は詩集を読んでください」とのことです。

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